

2025年4月28日(月)午後6時30分より、練馬区男女共同参画センターえーる2階視聴覚室にて、「めぐみの会全体研修」を行いました。

リモート会場も含め50人以上の方にご参加いただきました。

今回、研修を担当したのは 「居宅支援めぐみの会大泉」のケアマネージャーのみなさんです。

本研修は、前半は講義形式で「BCP」とは何なのかを学び、後半はグループワーク形式をとりました。
1.BCPって何?──「避難」だけでは終わらない介護事業の使命

研修の前半では、BCP(Business Continuity Plan/業務継続計画)の基本をおさらいしました。
このブログではさらに研修より噛み砕いた表現でお伝えします。
BCPとは…

まずは、内閣府ガイドラインを参照にちょっと難しい表現をします。
「⼤地震などの⾃然災害、感染症のまん延、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発⽣しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための⽅針・体制・⼿順を⽰した計画」
これを噛み砕いて表現しますと…
「大きな地震や感染症など、思いがけない出来事が起きても、大切な仕事を止めない、あるいは 止まってもできるだけ早く元に戻す ための「方針・体制・手順」をまとめた計画。」
こういうことになります。
介護の現場では
2024年4月から、すべての介護サービス事業者に
- 計画づくり(BCPの策定)
- 職員への研修
- 実践的な訓練(シミュレーション)
これらを行うことが義務づけられました。
つまり、災害や感染症が起きても、
利用者さんに必要な介護サービスを途切れさせない仕組みを、
あらかじめ準備しておくことが求められています。
BCPは、業務継続が⽬的

BCPには大きくわけて2つの種類があります。
1つめは「⾃然災害」、2つ目は「感染症」となります。
自然災害に備えるBCP
ポイント:地震・台風・豪雨など “天気や地面” が原因のトラブル
- 近年は 集中豪雨や大型台風 がとくに増えています。
- 将来起こるといわれる 南海トラフ地震 では、広い範囲が震度6強〜6弱で揺れる想定です。
- こうした災害が来てもサービスが止まらないよう、
- どんな被害が起きるか想定する
- 必要な物資・連絡手段・人員配置を決める
- マニュアルどおり動けるか訓練する
――この3ステップを計画にまとめるのが「自然災害BCP」です。
感染症に備えるBCP
ポイント:ウイルスや菌が原因のトラブル
- 新型コロナ、インフルエンザ、ノロウイルス など、毎年のように流行します。
- 流行期には 面会制限や消毒強化 など、感染を広げない対策が欠かせません。
- そこで
- どの感染症を想定するか決める
- 発生時の動き(利用者対応・職員シフト・防護具の使い方)を決める
- 実際に動けるか訓練して確認する
――これをまとめた計画が「感染症BCP」です。
避難計画(避難訓練)との違い
BCPは避難訓練や、防災計画とは違います。
こちらの項目ではそれぞれの違いを表にまとめてみました!
目的 | やること | ゴール |
---|---|---|
避難計画・避難訓練 | – 火災・地震・風水害が起きたとき、利用者を 安全な場所へ連れて行く 手順を確認する。- 避難ルートや集合場所、連絡方法を決めて実際に動いてみる。 | 「みんな無事に避難できたか?」を確認し、次に備える。 |
防災計画 | – 災害そのものによる 被害を減らす ことが主な狙い。- 利用者と職員の命や身体を守り、施設の損害を最小限に抑える方法を決める。 | 被害を最小限にして安全を守る。 |
BCP(業務継続計画) | – 避難が終わった “あと” も サービスを止めない/早く再開する ための準備。- 人員・物資・連絡体制などをあらかじめ決めておく。 | 介護サービスができるだけ途切れないこと。 |
ポイント
- 避難計画=「まず命を守る」手順
- 防災計画=「被害を抑える」ための準備
- BCP=「災害後も仕事を続ける」ための仕組み
つまり、BCPは避難訓練そのものではなく、
避難が終わったその先 をどうするかまで含めた計画です。
BCP(業務継続計画)が大切なわけ

防災計画や避難計画(避難訓練)は、
利⽤者や職員の安全確保できることが計画のゴールです。
しかしながら、
介護事業所や医療機関等は、有事の時こそ事業継続が求められる事業です。
例えば…
感染症が広がっても、スタッフ全員を自宅待機にして
介護を完全に止めるわけにはいきません。
介護が途切れれば、普段の生活さえ送れない利用者さんがたくさんいるからです。
だからこそBCPが必要となるのです。
「安全を確保した上で、どうやって事業を動かし続けるか」を
あらかじめ決めておくことが、
介護現場には欠かせないということです。
そして、講義の最後には…
「私たち 介護事業所は、
介護サービスを提供し続けること、
すなわち事業を継続することが使命である!」
このことを再確認しまた。
2、グループワーク…みんなで考えるBCP

グループワークでは、6人前後の班に分かれ…
- 「勤務中に震度5の地震が起きたらどう動くか」
- 「翌日から業務をどう再開するか」
といった2つのテーマに議論と発表を行いました。

各班のディスカッションを通じて――
- 多角的な視点 が集まり、
個々では思いつかなかった着眼点に気付けた。 - 津波避難を経験した職員からは
「通信手段が完全に遮断される現実」も共有され、
想定外の課題を具体的に認識できた。 - 「何が実行可能で、何が難しいか」を整理し、
現実に即した対策へ近づける良い機会となった
――といった学びと課題が浮き彫りになりました。
まとめ…“備え” は今日から動かす行動計画

まとめます!
- BCPは「命を守ったその先」を支える仕組み
避難や防災で安全を確保したあと、介護サービスを止めない・早く再開するための方針と手順をまとめたものです。2024年4月から介護事業者に義務化され、めぐみの会でも具体策のブラッシュアップが進んでいます。 - 自然災害BCPと感染症BCPの二本立て
南海トラフ地震や豪雨・台風への備え、そして毎年流行する感染症への備え——両面から「人・物資・連絡」の体制を平時に整えることが重要だと再確認しました。 - グループワークで“現実解”を深掘り
「勤務中に震度5が起きたら?」という想定を通じて、多角的な意見交換ができました。通信遮断を経験した職員のリアルな声など、現場目線の課題とアイデアを共有できたのは大きな収穫です。
今回の研修で浮き彫りになった課題は、徐々にマニュアルの更新に反映していき、計画を“動く仕組み”へと育てていきます。
利用者の安心・安全とスタッフの働きやすさを両立させる――それがめぐみの会の使命なのかもしれません。(ちょっとクサイ台詞ですね…)
【めぐみの会】では…

今後も定期的な研修や情報共有を通じて、
利用者に対する安心・安全なサービス提供と、
スタッフ一人ひとりの自己研鑽を推進していきます。
次回の研修にもご期待ください!
そして「めぐみの会では」、
ここ練馬区の訪問介護の現場で一緒に働いてくれるヘルパーさんを随時募集しています。
「登録ヘルパーでスポット的に働きたい!」や「時給で働きたい」
「正社員としてマネジメントもしたい!」という
様々な要望に柔軟に対応させていただきます。
ご興味のある方は、下記リンクより採用ページをご覧ください。

お電話でもお待ちしてます!
03-5923-9066(メディカル・アート/めぐみの会 総務部)