採用担当者の声

めぐみの会は介護を始めてから17年目、地域密着型サービスを早くから展開することにより、24時間対応できる事業所として他社との差別化を図って参りました。新規参入が多い事業ですが、閉鎖する多くの事業所もある中で成長を続けていけるのは理念や介護への想いに共感し集まっている従業員の支えによるものです。

さて、介護業界全体の「人材不足」という課題を前に、決して弊社も影響がないわけではございません。介護の現場では、現場を回すことを優先するあまり、新卒や未経験者より即戦力として働ける人のほうを歓迎する傾向があります。ある面では仕方がないことですが、将来を考えれば、やはり新卒や未経験者を育てなければいけません。しかし、介護職が若い世代にとって選択されにくい仕事であることは間違いなく、条件面や仕事内容を他業種と比較されてしまえば、介護職が最終的な選択肢に残ることは少ないからです。
祖父母と同居などで介護を身近に体験してきた方は、仕事の内容もある程度はイメージできますが、多くの若者にとって介護職は未知の領域です。

私たちの今後の大きな課題は、介護の世界と何もつながりがなかった若い世代の目を、いかに介護業界へ向かせることが出来るかです。若者の感覚にあまりにも無関心に「介護職とは~」と、介護業界の価値観や自分の価値観を押し付けすぎると若者はどんどん離れていくと思います。
しかし、若者に向いてほしいからといって介護の仕事は妥協することはできません。

後藤大介

「多様な価値観を認め、働きやすい場所を作りたい」と語る後藤さん

事故が起きれば人の生命に関わる仕事ですから厳しさを求めるのは必要な事です。
めぐみの会も人材不足には悩まされております。どうしたら働く人が定着するのかと試行錯誤を繰り返していた時期がございます。今でもそうですが、少しずつ若い世代がある事をきっかけに増えてきているので一例を紹介します。

計画的に始めた取り組みではありませんが、ある若い職員が金髪にして出勤してきたのをきっかけに流れが変わりました。否定的な目では見ずにしばらく周りの職員、ご利用者様を含めて全体がどのような反応をするのかを観察しました。すると多くの利用者様からのうけも良く、指名もはいるほど(笑)。また、事務所の雰囲気がガラッと変わり、何かポジティブな風が吹き込んだ感覚を得ました。それからは、管理職全体が「仕事には一生懸命取り組み、まじめに働いているなら仕事に影響がでない範囲でおしゃれなどの自己主張を認めてあげてもいいのでは」と考えるようになったと思います。
次第に少しずつではありますが若い世代が自然と仲間を引き入れる、そのようなサイクルが出来るようになりました。

「こんなことで若者が入ってくるのなら苦労しない」と思う方がほとんどだと思います。確かに小さなことかもしれませんが、要点は「若者のおしゃれを認めよう」ということではなく、旧世代の価値観で抑え込まないことにあります。年齢を重ねてこそ気づく価値観にまだ届かない若者を「最近の若い者は」と上から目線で物申すのではなく、自分とは違うその価値観を認め、理解することで、若者にとって働くのが楽しめる職場になっていくのではないかと感じております。